石川県の金沢城公園へ、シタベニハゴロモの調査に行ってきました!
訪れたのは8月の平日、朝6時。まだ周囲を散策している人は少なめです。
時期:8月上旬
時間:朝6時ごろ
場所:金沢城公園
目的:シタベニハゴロモの観察
園内の木を注意深く探してみたところ……いました!
金沢城公園でシタベニハゴロモを発見!
まだら模様の白い翅の下から、鮮やかな赤い翅が少しだけ覗いています。
見た目はとても可愛いのですが、こう見えてセミやカメムシに近い仲間です。
海外では農業害虫として警戒され、日本でも分布を広げている外来昆虫です。
日本では2009年に石川県小松市で初めて確認されており、石川県は国内でも早い時期からシタベニハゴロモの生息が知られている地域です。
園内のあちこちへランダムにいるわけではなく、特定の木に複数匹が固まっていました。
このようにポイントさえ見つければ、木の幹にいる成虫へすぐ気づくことができます。
想像以上の跳躍力!なんとか1匹捕まえました
「カメムシの仲間なら簡単に捕まえられそう」と思って手を伸ばしてみたのですが、近づいた瞬間にパチンッと力強くジャンプ!
一瞬で視界から消え去ってしまいました( ゚Д゚)
かなりの跳躍力に苦戦しつつも、なんとか1匹をキャッチ。
白い翅の内側には、かなり鮮やかな赤い翅が隠れていました。
動きが非常に素早く、これを広い範囲で人力だけで駆除するのは、なかなか大変な作業になりそうです。
笹の葉には派手な幼虫もいました
近くの笹の葉には、シタベニハゴロモの幼虫もいました。
黒・赤・白の派手な模様で、テントウムシの幼虫にも少し似ています。
こちらも近づくと、バッタのようにピョンピョン跳ねて逃げていきました。
一番多く集まっていたのはニワウルシの大木
今回、園内をざっと見渡した限りでは、シタベニハゴロモがついていた木は3本だけでした。
もちろん見落としている木もあると思いますが、その中で一番多く集まっていたのがニワウルシの大木です。
ニワウルシはシンジュとも呼ばれ、シタベニハゴロモが好む木として知られています。
今回の観察でも、ほかの木よりニワウルシに多くの個体が集まっていたのが印象的でした。
ニワウルシなどで増えた個体は、周囲にあるさまざまな植物へ移動して汁を吸うことがあります。
また、大量に発生すると甘露と呼ばれる排泄物によって植物の表面などがべたつき、すす病につながることもあります。
今回は金沢城公園内だったので、田中の判断では駆除していません。
公園や公共施設の木にいる個体については、勝手に駆除せず施設管理者の判断に任せるのがよさそうです。
自宅の庭や畑などで大量に見つけた場合は、自治体や農業関係機関などの情報を確認して対応してください。
皆さんもニワウルシの木を見かけたら、幹の周りをチェックしてみてくださいね( `ー´)ノ
夏の金沢城公園で目立っていたサルスベリ
続いて、園内で見つけた花も紹介していきます(*’▽’)
今の金沢城公園で一番目立っていたのは、サルスベリ(百日紅)の花ではないでしょうか。
アジサイとちょうど入れ替わるように、花が咲いてきた頃合いです。
こちらはフリルのような紫色の花。
こちらはボリュームのあるピンク色です。
白色のサルスベリも咲いていました。
カラフルな花が大きな塊になっているので、離れた場所からでもよく目立っていました(*´ω`*)
ついでに、金沢駅前の50メートル道路にも赤い?サルスベリがずらっと並んでいます。
この画像、これまで使い道がなかったけどようやく出番がきたw
シモツケとカワラナデシコの花
続いては、長いおしべと小さな花が集まった姿が特徴的なシモツケ(下野)。
一つひとつの花が桜や梅に似て見えるのは、同じバラ科だからでしょうか。
小さな花が集まっている姿は、アジサイっぽくもあります(*’▽’)
白っぽい小さなカワラナデシコの花も見つけました。
田中的にはアオミノウミウシを連想させる形なので、なんだか神秘的に見えますw
石垣前に咲くオオウバユリ
石垣の前には、背の高いオオウバユリが咲いていました。
長い年月をかけて成長し、大きな花を咲かせます。
花を咲かせた茎はその後枯れてしまうので、一度きりの花だと思うと見つけたときのありがたみも増しますね(*’ω’*)
クマシデとマメガキの実も発見
クマシデには、特徴的な実がなっていました。
大きなミノムシのようにも見えますが、構造としては柔らかいマツボックリといった感じでしょうか。
重なった部分の中に種が入っています。
こちらはマメガキの青い実。
熟すと黄色から黒紫色になり、食べられるようです。
ブドウのような色になるみたいだけど、どんな味がするんだろう( ゚Д゚)
朝の金沢城公園の景色
最後に、朝の金沢城公園で撮影した景色を少しだけ。
こちらは石川橋から撮影した石川櫓です。
朝早い時間なので、三の丸広場にはほとんど人がいません。
広い芝生の向こうに、五十間長屋がきれいに見えました。
こちらは三十間長屋です。
金沢城公園でシタベニハゴロモの分布を観察できました
今回は金沢城公園を歩き、シタベニハゴロモの成虫と幼虫を観察してきました。
園内全体へ均等にいるわけではなく、今回確認できたのは特定の木だけ。
特にニワウルシの大木には複数の個体が集まっていて、ほかの木との違いがかなり分かりやすかったです。
まだシタベニハゴロモを見たことがない人は、ニワウルシを見つけたときに幹の周りを注意して見ると、発見できるかもしれません。
ただし、公園や公共施設の木にいる個体は勝手に駆除せず、施設管理者の判断に任せましょう。
シタベニハゴロモ以外にも、サルスベリやオオウバユリ、クマシデの実など、8月らしい自然をいろいろ観察できました(*’▽’)
朝6時なら人も少なく、暑くなる前にゆっくり散策できますね(‘◇’)ゞ
おまけ:シタベニハゴロモ、日本で最初に見つかったのは石川県だった
今回シタベニハゴロモを見つけたのは石川県の金沢城公園ですが、実は日本で最初に確認された場所も石川県です。
現在、標本によって確認されている国内最初の記録は、2009年の石川県小松市。
その後は少しずつ確認地域が増えていきました。
2009年:石川県小松市で国内初確認
2013年:隣接する福井県で確認
2017年:大阪府で成虫1匹を確認
2019年:岡山県備前市で成虫と幼虫を確認
その後:兵庫県・愛知県・奈良県・岐阜県・滋賀県・富山県などでも確認
こうして見ると、最初に石川県で確認されてから、すぐ全国へ広がったわけではないようです。
特に初期は石川県と福井県を中心とした北陸地方で確認され、その後になって離れた地域からも記録されるようになりました。
ちなみに2017年に大阪府で見つかったのは成虫1匹で、その後の確認がないことから、大阪で定着した可能性は低いと考えられています。
また、遺伝子を調べた研究では、北陸地方と岡山県のシタベニハゴロモには違いがあり、日本へ一度だけ侵入して全国へ広がったのではなく、複数回侵入した可能性も指摘されています。
つまり今回歩いた石川県は、日本におけるシタベニハゴロモの歴史を考えると、かなり重要な場所だったんですね( ゚Д゚)
2009年に小松市で確認された外来昆虫が、2026年現在、金沢城公園のニワウルシにも普通にとまっているのを見ると、実際に分布が広がってきたことを感じます。
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